信頼度の低い枝を含んだ進化系統樹を作ったことはありませんか?
近年の大規模な配列データの蓄積によって,進化系統解析は生物学における「日常的作業」となりました.
進化を直接の主題としない研究において,これらの解析結果を用いた議論を要求されることも少なくありません.
実は進化系統解析において,一つの確かな系統樹が推測されることは多くありません.
むしろ一般に,複数の候補系統樹群が作成されます.
特に近年では,全配列情報であるゲノム情報を用いた解析を行った場合でも,この曖昧性を解消できないことが多いことが明らかになってきました.
このことは,進化系統解析において曖昧性が不可避であり本質的なこと,すなわち,
一般に進化系統関係は単一の系統樹によってではなく複数の可能な系統樹群として表現され,理解されるべきであること,また,
古典的な分岐のみを用いて系統関係を表現することはそもそも困難であるということを意味していると考えられます.
車輪樹(Centroid Wheel Tree)法は,曖昧な進化系統解析結果を情報豊かに,偏り無く,かつ直感的に表現するための手法です.
進化系統推定をした際には,ぜひ車輪樹を使ってその結果を表現されることをおすすめします.
まず車輪樹を作成してみるか,車輪樹法のポイントへとお進みください.