車輪樹法

車輪樹法は進化系統情報を直感的
かつ情報豊かに,さらに最も偏り
なく表現するための手法です.

Menu

トップ
車輪樹を作る
車輪樹のポイント
車輪樹の例
ウェブAPI
ダウンロード
NHXフォーマット
車輪樹の理論
文献
Extra

Languages

/

Contact

岩崎 渉
東京大学
大学院理学系研究科
生物科学専攻
メール:
iwasaki AT bs.s.u-tokyo.ac.jp

License

車輪樹法ソフトウェア:
GNU General Public License
その他のコンテンツ:
Creative Commons License

車輪樹法の例

下図は車輪樹に含まれる情報を図式的に表現したものです.

車輪樹は3つの方法で系統樹群に含まれる進化系統情報を直感的に表現します.

(X) 通常の系統樹表現と同様に,内部枝上の数字は対応する分割が候補系統樹群内に存在する割合を表します.

(Y) 円で囲まれたノード(「車輪」)内の数字は,その周りの枝の並び順がどれだけ「うまく」候補系統樹群全体を表現できているかを示しています.すなわち,車輪の回りの枝をそのまま(順番を変えないように)つまんで引っ張り出した時に,復元できる系統樹群全体の割合を表しています.

(Z) 車輪の周りの数字は,その数字を挟んでいる2つの枝が系統樹上で隣り合う(単系統群を作る)割合を示しています.

車輪樹法ソフトウェアは,全ての車輪について(Y)の値が最大になるような枝の並べ順(=系統樹群を最もうまく表現する並べ順)を推定し,車輪樹を作成します.

次の図は,実際のデータ(21の真菌のゲノム中に見いだされた信頼性の高いオルソログ遺伝子から作成した246系統樹群)を使って描いた車輪樹の例です.
60%以下の確率の枝を全て消去した「60%コンセンサス系統樹」を基に車輪樹を作成しています.

太矢印で示された部分は信頼度が足りなかったため車輪として表現されていますが,ここからは,

(1) 73%が(Ago・Kla)−(X・Y)または(Kla・X)−(Ago・Y)のどちらかの枝を含むこと
(2) 39%でKlaがAgoの隣に来ること
(3) 34%でKlaがXの隣に来ること

が読み取れます.
(なお,4分枝の車輪の場合には,例えばKlaがAgoの隣であれば自動的にXはYの隣になるため,対角にある値は同じになっています.)

下図は同じデータについての(a)80%・(b)100%コンセンサス系統樹を基に作成した車輪樹です.
見やすいよう,車輪の周りの数字については色を用いて表現しています.赤に近いほど信頼性が高いことを表しています.

車輪樹は樹の形をしているため様々なレベルの系統群を直感的に表現することができ,特に,支持率がコンセンサス系統樹の閾値に達しないような系統群を,車輪の周りで隣り合う枝として示唆することができます.

(a) グレーの弧α・β・γ・δはそれぞれ,Eurotiomycetes綱・Sordariomycetes綱・Hypocreales目・Agaricomycotina亜門にそれぞれ対応しています.

(b) グレーの弧はそれぞれ生物学的に意味があるグループを表しています(このように非常に高い閾値を指定した際には星状の車輪樹が得られますが,これにより,全系統を一列に並べたときの最適な並べ順を取得することができます.)

これらの車輪樹は全て,「巡回セールスマン問題」に最適化されたソルバーを利用することで,数秒のうちに計算することができます.

よろしければ実際に系統樹を作成するか,あるいは,車輪樹の理論についてより深く知ってください.